【Mac】HDMIキャプチャーを行う備忘録(2015年版)
某元プロおじさんの動画に感化されてWiiUごとスプラトゥーンを購入したのが今年の夏。そして諸々影響されてキャプチャー・配信環境を整えようとしている今日この頃。MacBook Proを用いて、WiiUのHDMIキャプチャーの準備をやってみた記録。
今回購入したキャプチャー機器が「プラグ&プレイ」って感じのお手軽機器ではないので、割と詰まりました。
2015年版「MacでHDMIキャプチャしつつ配信もしてみる」的な進行になるかと。では以下本文。
・用意したもの
1. Apple MacBook Pro 13" Retina, Late 2013
2. Blackmagic Design Intensity Shuttle (Thunderbolt)
3. Nintendo WiiU
4. ゲームソフト(スプラトゥーン)
5. 各種接続ケーブル(Thunderbolt, HDMIケーブル)
ThunderboltケーブルはIntensity Shuttleに付属していないので別途入手。今回は1mの製品を買いましたが、もうちょっと長くてもよかったかもしれない、という印象。HDMIケーブルはひとまずWiiU付属品を使用。普段はD端子ケーブルをテレビに繋いで遊んでます。
・前準備
まずBlackmagic Design製品を利用する為のソフトウェアを準備。ROMが付いているという話でしたが、時代の流れか今回入手した製品には「SDカード」が付属。最近のMacってドライブ付いてないので嬉しい対応*1。ウェブサイトからのダウンロードも可能です。合わせて「DeckLink_SDK」をダウンロードしておくと便利です。というかこれが無いと困った。インストールが完了したら再起動が必要になるようですので、他の作業は終わらせておきましょう。
・Mac側の準備
システム環境設定の下段に追加された「Blackmagic Desktop Videio Utility」を呼び出します。旧バージョンではここで操作するようなのですが、現行ではアプリを呼び出すだけなので、直接アプリケーションフォルダにあるアイコンをクリックでも可。むしろ早い。諸々お好みに設定しておいてください。というかもしかして設定しなくても大丈夫なんじゃないかとか後々思いましたがよく判ってない感じです。
キャプチャーが正常に行えているかのモニタリングはインストールした「Media Express」で行います。「Log and Capture」タブで映像が映っていれば成功。そのまま下部のカメラアイコン横「Capture」ボタンで録画開始となります。なお未設定状態では生データ(無圧縮)で記録を始めるので、ディスク容量がエグい勢いで減ります。ProResなりのコーデックがあった方が無難。今回はMac本体に録画する事を念頭に置いてないのでパスしますが、無圧縮であればデータが多過ぎて外付けHDDの接続がUSB2.0でも詰まるという話なので、外部デバイスはThunderbolt接続かUSB3.0が必須になりそうです。
録画ソフトとして「OBS」を使用すればmp4で録画可能なので、これならUSB2.0でも速度的に問題ないでしょうが、画質は間違いなく落ちます。
前述のSDKに含まれる「CapturePreview」でも同様にチェックが可能です。むしろコッチの方が確認には有用且つお手軽なのでお勧めします。解凍後「Mac/Samples/bin/」に入ってるものを使います。今回はCapturePreviewを使い、InputにIntensity Shuttleを、Video Formatに「720p59.94」を選択しました。
本来WiiUであれば1080pまで対応しているのですが、Intensity Shuttle側で「1080p59.94」に対応しておらず「1080p29.97」などに設定しても入力されないので上記の設定としました。
こういった出力側と入力側の設定ズレによって、何も表示されない状態で延々と時間を食いつぶす羽目になります。本当に不良品なのかどうかを確認する為に、というか動作確認をする為にも適切な設定を。一応「1080i」であれば可能だったりはしますが。
・WiiU側の設定
先ほど受ける側の設定を「720p59.94」に合わせましたので、WiiUの出力もこれに合わせます。今回はHDMIでの接続ですので「テレビとの接続方法」はHDMIを、解像度設定を「720p」に合わせます。
・確認
あらためて「CapturePreview」の設定が「720p59.94」である事を確認し、Start Captureをクリックします。各種設定が正しく組み合わされていれば、右側のウィンドウにWiiUの出力が表示されます。アスペクト比が4:3になっていますが、これはプレビューの仕様のようですので問題ありません。また、試しに「720p60」に切り替えてキャプチャーを試みると「No valid input signal」と表示され、映像は映りません。
ひとますこれで映っていれば、諸々の動作確認が完了します。後は十分な容量を用意して録画するなり、配信するなり。自分はYouTube Liveのアーカイブ機能に録画をぶん投げてプレイバックなどに活用しようかと目論んでいます。
・OBSを使って配信してみる
OBS (Open Broadcaster Software)の詳細な設定等については省きます。シーンを追加し、ソースに「Blackmagicデバイス」が追加されていますので選択。プロパティからデバイスを「Intensity Shuttle」に、モードは先ほどの「720p59.94」を選択します。正常に表示されている事を確認したら、後は配信開始するだけ。
・気付いた事など
末尾の参考サイトにもありましたが、Macをディスプレイとしてプレイする事は可能ですが止めた方がいいです。最大化は出来ないし、猛烈に負荷を掛けるのでファン廻りっぱなしで精神衛生上もよろしくない。またIntensity Shuttle本体や、Thunderboltケーブルも接続しているだけでかなりの熱を持ちます。まだケーブルはマシな方ですが、本体は筐体がプラスチック製な為か本体からの放熱はさほど無く、対してコネクタなどの金属部が数秒触ればすぐ手放したくなるほどに熱くなっています。使用しない場合は接続しない。使用する場合であれば放熱に気を使うといった事が必須かと。平置きにせず、立てて*2風通しの良い所に置くのが無難でしょうか。
画面をモニタリングしてみて、ラグありますが支障が出る程度ではないかと。配信開始すると露骨にラグが発生しますので、OBSの画面観てプレイっていうのは現実的ではないかも。アクション等のリアルタイム性が重要なゲームに関してですが。シミュレーションとかRPGなら許容出来なくはない、かも。尤も、別にモニターを用意してプレイするのが普通ですよね。Thunderboltの恩恵なのか性能部分ではよろしいですが、相当に金の掛かる娯楽です。キャプチャー本体とケーブルで諭吉三人分。「とりあえずキャプチャーしたい/配信したい」であれば半値でUSB接続タイプでハードウェアエンコーダ搭載型が購入出来ますので、コスパは間違いなくそっち。まあ、Mac使ってる時点でコスパとか言うのはナンセンスだと思いますが。
とりあえず、今回はここまで。
ガチのTA勢には及びませんでした…はともかく、凡そ一分の動画でProRezの一番軽量なフォーマットでも「約450Mb」のファイルサイズです。10分だと約4.5GbでDVD一層分をほぼ食い尽くします。凄い時代になったもんだ。
・参考
BlackmagicのHDMIキャプチャで信号を確認する方法 | scribble warehouse
・ダウンロード
※諸々情報入力欄が出ますが、ドライバは「ダウンロードのみ」から入力不要で入手可能。SDKについては登録が必要なようです。
・追記
個人の方が製作されたIntensity Shuttleと合わせて使用出来るモニタリングソフトがありました。上記のCapturePreviewと同様に入力された映像を確認する事が出来ます。優位点として、正常なアスペクト比、且つフルスクリーンでモニタリング出来るので、Macで全画面モニターが可能です。
ソフト側の設定は以下の通り。WiiU側はこれまでと同じく720p
・Device:Blackmagic HD 720
・Mode:Blackmagic HD 720p 59.94 - 8bit/10bit
メリット:全画面表示可能
デメリット:音声なし、ギザギザ、遅延
制作者の方も書かれているように、この「IntensityShuttleViewer」単体では音声のモニターが出来ません。別途「LadioCast」を使用する事でこの問題は回避出来ますが、環境によっては遅延があります。現状動作の確認しかしていないので未検証ですが、ブラウザ諸々落とせばマシになるかもしれません。とりあえず、全画面が出来るという事では有用なソフトです。ただ、ウチの環境ではかなりギザギザで表示されるので、見やすさには難があります。
尤も、CapturePreviewでも画面比は4:3に圧縮されますし、ディレイもあるので一長一短というか。あくまで入力の確認ソフト、という位置付けは変わらないと思います。全画面でなくてもいいなら、OBSで見た方がまだ遅延は少ない方だと感じます。
「Intensity Shuttle Viewer」のキャプチャ機能でのスクショ。ギザギザ感。
CapturePreviewでの操作画面。アスペクト比がアレ。